オンラインとオフラインのユーザーは分けて考えるべき

ECでも買う、店舗でも買うというユーザーは、一般的にそんなに多くいません。
ECが便利で良いと思っている人にとっては、リアル店舗でわざわざ時間とお金をかけて買い物をするメリットが少なくなるからです。
ECで買い物をするユーザーにとって、購入の利便性を重視している一方、ブランドとの更なる関係構築したいという意欲はそこまで強くありません。一方で、リアル店舗で買い物をするユーザーは反対に、利便性よりも、ブランドとの更なる関係構築を求めていることが多いです。
例えば、店員が顔を覚えてくれていたり、前回買った商品やそのときに伝えた自分のパーソナルな情報を覚えていてくれているとなんだか嬉しくなるのはブランドとの関係構築のひとつの例といえます。
つまり、ECを利用するユーザーと店舗を利用するユーザーとではニーズが違うので、同じような関係構築を目指そうとするとうまくいかないのです。

ECユーザーには伝えたいことを2秒で伝える

アメリカのある調査によると、最も購入率が高いサイトの表示時間は2秒で、表示時間が長くなるにつれて購入率が下がり、7秒で半減していることがわかりました。
また、既存のECサイトを改善し、ユーザーの表示時間を1秒下げることで、売上が10%伸びたという報告もあります。
こういった現象も、ECユーザーがなぜ店舗に行かずにECで購入したいのかを考えると自然なことと言えます。余計な情報をカットして、一番伝えたいことが一番伝わるサイトを作ることが重要といえます。
そのために、商品やブランドそのもののコンセプトを事前にデザインし、ビジュアルやテキストではっきりと伝わるようにしておくことが大切なのです。

リアル店舗のユーザーには積極的に

一方で、店舗を利用するユーザーは前述のとおり、自分とブランドの関係性を重要視しています。
WEBサイトをみれば分かる情報だけでなく、このブランドの世界観はどうか、商品は自分のスタイルに合うか、購入後もサポートしてくれるのか等、もっとブランドや商品を知りたいという意欲を持っています。
そういったユーザーに対しては、売場の販促物と販売スタッフによる接客でコミュニケーションすることが必要です。販売スタッフがユーザーに声をかけたり、笑顔でフレンドリーな対応をするということも、ユーザーが自分の関心のある質問をする大切なきっかけづくりとなるのです。

つい先日、私のクライアントのあるブランドの経営者が、「接客がうまいスタッフがお店にいる日といない日の売上が全然違う」と言っていましたが、接客がうまいスタッフというのは、ユーザーの関心に応えられるスタッフという意味だと思います。
toBもtoCでも同様ですが、社員がユーザーから話しやすい、ユーザーの関心ごとを察することができる、ユーザーの関心に応える知識をもっているというのは、時代が変わっても良いブランドになるために必要な条件と言えます。

是非参考にしてみてください。