店舗でお客様が買い物にかける時間はどの位でしょうか?あるアパレル企業が調査した結果、来店から商品購入までの平均は7分でした。予想以上に短い時間だと感じませんか?限られた時間の中でお客様に商品の魅力を伝えるには、まずは売場で見つけてもらうことが重要です。ではどうしたら商品を目立たせることが出来るでしょうか?

施策1:見える量を増やす

売りたい商品は、売場内の複数箇所に分けてディスプレイし、お客様が何回も目にするよう工夫します。例えばレディースアパレルのトップスであれば、マネキンに着せたり子供服とリンクコーディネートを提案したり、テーブル陳列したりと露出を増やしましょう。少ない服を着回して着るイメージで、売場で何回も登場させるのです。壁側の上部など遠くから見える位置にも配置できればより効果的です。

人間の心理には、単純接触効果という繰り返し接触することで好意が生まれるという作用があります。毎週放送されるドラマの主題歌や、よく目にする広告の商品に好感をもつ傾向があるのはこのためです。嫌味のない範囲で見える量を増やして、お客様に商品をアピールしましょう。

施策2:目立って触れられる場所=ゴールデンゾーンで見せる
テレビ番組では、夕方から夜にかけて最も視聴率が高い時間帯をゴールデンタイムと呼びますが、それと同様に、売場にも最も目立つ場所である「ゴールデンゾーン」があります。

売場でのゴールデンゾーンは、お客様にとって最も見やすく商品を手に取れる場所です。お客様の太ももから鎖骨あたりの範囲がここに該当します。膝より下ではしゃがまないと見られませんし、顔の上だと商品を取るために手を伸ばさなければなりません。スタッフを呼ばなくてもお客様自身で商品を手に取れる場所に、主力商品を並べましょう。

ゴールデンゾーンを意識した売場づくりの代表例はコンビニです。お客様が雑誌類→飲料→弁当類・おにぎり→レジへと自然に足を進められる設計になっています。さらにその順路の中で、ゴールデンゾーンとなる目線の高さの商品棚に、人気商品や季節の注目商品を陳列しています。お客様はコンビニ側から売り込まれている感覚がなく、狭い売場でも新商品を発見したり、自分で商品を選び納得感ある買い物ができるのです。

売場入り口の目線の高さは、お客様全員が目にするゴールデンゾーンです。ここに季節感を出すアイテムやテーマを設けたディスプレイをすることで、買い替え需要や限定感に訴求することができます。お客様を売場に引き込むトリガーとして重要な場所といえます。

お客様自身が自然と商品を見つけられる売場は、ストレスがなく選ぶ楽しさを体験することができます。お客様の興味を惹きつけることができれば、短時間でより多くの商品を見つけて触れてもらうことができますので、店舗の売上向上にも繋がります。この2つの施策を取り入れて、売場の見せ場を最大限活用しましょう。