あなたの会社の商品を購入しているのはどんな方でしょうか?広告や口コミを見て気になっていた場合もあるでしょうし、たまたま入ったお店で手頃だったので試してみようという場合もあるでしょう。
購入者の中で重要なのは、繰り返し購入してくれた人=リピートしてくれた人です。これを数値で見ることによって、どんな顧客が商品のファンになってくれたのかを探ってみる手法をご紹介します。

ファン作りの第一歩・リピート率とは?

リピート率は「新規顧客が期間内に2回以上購入した割合」のことです。“期間内“という点が重要で、商品によって期間は異なりますが、食品や飲料なら1ヶ月以内、洗剤や化粧品などの日用品は3ヶ月以内と定義されることが一般的です。初めて買った商品をそれが無くなった時点でもう一度買うか?という数値です。
【リピート率=特定期間内のリピート顧客数÷特定期間内の新規顧客数×100】

注意したいリピート率の捉え方

リピート率が高ければ、新規顧客のファンが増えているということなので歓迎すべきですが、リピート率が高い=購入者が多い商品ではないことに注意しましょう。

例えば、シャンプー市場において代表的なブランドを、リピート率×購入者数でグラフ化してみましょう。それぞれの平均値を十字線で区切ると4つのエリアが作られます。

<図1>

右上のエリア:リピート率、購入者数共に高い→商品が市場に浸透している、大手ブランドなどの「人気商品」
左上エリア:リピート率は低いが購入者数が多い→試しに買われるが2回目以降の購入が少ない「流行り廃りのある商品」
右下エリア:リピート率は高いが購入者数が少ない→コアなファンに支えられている「専門性の高い商品」
左下エリア:リピート率、購入者数共に低い→市場に投下されたばかりの「新商品」か、市場からの「撤退が近い商品」

リピート率が上がらない要因は、購入者の期待値が関係しています。期待して購入した商品の使用感が悪い、もしくはいまいちだった場合、リピートする可能性は低いです。一方期待していなかったけれども、使用感が思いのほか良かった、コスパが良いと感じた商品はリピートする可能性が高くなります。

成長戦略を考える時はリピート率が道筋になる

リピート率×購入者数のグラフで自社商品の現在地を確認することは、今後の成長戦略を考える上で非常に重要です。

どんな商品も市場に投下された時ファンはいませんので、グラフの左下エリアからスタートです。(矢印①)プロモーション活動を行い徐々に購入者を増やし、消費者に受け入れられればリピート率が上がり、右下エリアに移行することが出来るでしょう。(矢印②)

<図2>

ここで世の中のトレンドやユーザー層の拡大に成功すれば、上側に行くことができます。(矢印③)購入者が増えた分だけリピート率を上げることに成功すれば、市場の人気商品として右上エリアに入ることが叶います。(矢印④)一方で購入者が増えたがリピート率は現状維持、という状態では左上エリアに移行(矢印⑤)、リピート率を下げてしまうと左下エリアに舞い戻ってしまうこととなり、市場からの撤退が近くなります。(矢印⑥)

コア層に支えられていた専門商品から、誰もが知る人気商品に昇華するタイミングをデータからキャッチし、適切な施策でファンを増やしていくことこそが、商品の成長戦略を考える上で大切なのではないでしょうか。